父と留学と
天下一武道会@ボストン
〜ボストンキャリアフォーラム〜
アメリカでは毎年秋、全米の日本人留学生がボストンに会しその
" 語学力・知性・コミュ力、その他諸々 "
を戦わせ、内定を争う武道会が開催される。
そして面接での勝者のみがディナーへの参加を許され
面接官と同じ釜の飯を喰らい、共に面接を受けた戦友との絆を深め、
最後には内定を掴み取るのである。
このドラゴンボールで言うところの天下一武道会に相当するイベントが所謂
” ボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)"
である。
圧倒的日本人ンンンッ!!!
さて、 そんな勝ち気な留学生に混じり僕も足を運んだので、誰かへの参考程度に感想を残す。3日間を通して色々と思うところがあったが、僕が特に重要だと思った以下の項目について書く。
- 逆さまに参加準備を進めること
- 事前に計らうこと
- ぼっちは避ける
- 逆さまに参加準備を進めること
ボスキャリと言えば留学生向けの就活イベントなので
" 留学する→ボスキャリ参加を考える→参加企業見る→参加予約、宿を手配 "
といった流れを考えがちだ。しかし、参加のコストを節約したいなら、
"参加予約、宿を手配→参加企業を見る→ボスキャリ参加を考える→留学する"
がいい気がする。ボスキャリに掛かる支出は、主に宿と航空券が大部分を占める。
宿は日系200社程度の社員、留学生数千人が取り合うので、この期間だけ相当値上がりするし、安い宿はかなり早い段階で埋まる。
僕はAirbnbを使ったが、多くの場合で直前までのキャンセルが無料だったしかなり安いところもあった。多少面倒だがキャンセルを視野に入れて宿を取ってしまうのが吉だ。一泊50$を切る位で泊まれればかなりいい線だと思う。
航空券はキャンセルが効かないので手が打ちづらい、これはどうしようもない。しかしBCFサイト参加予約だけは早くするべきだ。何故なら、ボスキャリの運営をしているCFNでは、トラベルスカラシップ(航空券代程のキャッシュバック)を用意しており、通説でこれは早く応募したほうが貰いやすいらしい。
(因みに僕と泊まった友達は誰も貰えていなかった。BCFにはもうちょっと採用人数で頑張って欲しい)
さくっと応募用のアカウントとレジュメを作って応募してしまおう。
(このレジュメの内容は卒業年度が遠すぎないかという事以外はほぼ見られていない、、と思う。)
留学してから〜、ではなくここまでは6〜7月頃に済ませておくと良いだろう。
特に貧乏症な私だと、ボスキャリの参加コストと参加企業を天秤にかけてしまうので、コストが安い方が参加への心の障壁は低くなって結果参加できて何かしらの成果を得ることができる(かもしれない)。
- 事前の計らい
これは参加を決めた場合の企業へのアプライについて。ボスキャリと言うと
"3日で内定!"
というフレーズと共に多くの大学生が夢を見ている気がする。しかし、世の中そんなに甘い話はないもんで、大多数の交換留学生にとって3日だけで満足度の高い結果を得ることはそう簡単では無い様だ。
ボスキャリでは事前に応募し、ES選考、Skypeや電話等の面接を事前に行う事前応募と、当日いきなり履歴書を持ってブースにて応募するウォークインがあるが、やはり事前応募で淡々と準備を進めてきた学生が多くの場合で有利に思えた。
そもそもこのウォークインというのが曲者であって、尚且つ特有の面白い文化である。
いきなり会社の説明会を聞いた直後に、使い回しのESピラ一枚を出して、面接が次の日に入り、その日のうちに人事と食事、内定をもらっちゃうなんてことも起こるわけである。
「さっき御社を知りました、志望してます!」
なんて日本では言えたもんじゃないが、これがここではある程度許されるのである。勿論、「何も知らない」じゃ到底面接は通らないが。
意外と大事なのが、事前応募でお祈りされていても、当日のウォークインでは再度応募することができる点だ。志望度が高い企業であればウォークインまでしぶとく行くのは全然アリだ。
しかしこのウォークイン、当日は相当数の学生が足繁くブースを回っており、自分を差別化するのが容易ではないと感じた。志望度が高くなくても数撃ちゃ理論でとにかくウォークインを多くしている学生もいる。特にウォークイン→面接までのステップではスピーディかつ大量に振るい掛けがあるので、志望度が高くても自分より見栄え良い学歴・経歴を持つだけの他の学生に蹴落とされるということはこのスピード感の中では十分に起こる。
やはり、志望する企業であれば必ず事前応募で確実に面接枠をゲットするのが効率的だ。
- ぼっちは避ける
さて、ついに当日がやって来る。ゲットした面接を優先しつつ、興味のある業界、企業が他にあれば練習がてらウォークインしてみると良い。
一つオススメしたいのは、一緒に参加している友人やここで新しくできる知人とよく情報を交換することだ。ボスキャリの選考はどうにもスピーディーで不明瞭な部分も多い、そして実力もそうだが、結構ボスキャリならではのテクニックもあるのを僕は実感した。これらは、同じタイミングで同じ業界に志望している人と共有する中で得るに限る。また、もしかしたら彼らと一緒に内定をもらい将来の同僚にってこともあり得るわけだから。
そして、ボスキャリは結構疲れる。とくに面接、ディナーと続くと丸一日気が抜けない。そこで僕がおすすめしたいのは、ある程度の参加者を集めて夜を飲むなり、飯を食うなりして愚痴をこぼしつつその日の振る舞いを振り返ることだ。
僕は同じ奨学金でアメリカに来ている人ら5人と、Airbnbで家を一軒貸し切った。初めて使ってみたが不便も無かったばかりでなく、夜の時間はかなり楽しかったし、自分の何がダメだったかとか、明日こうした方がいいんじゃない?みたいな話が沢山出てきて良かった。また、ちょっとした同窓会気分も味わえた。
就活だから一人でデスクの広いホテルを取って完璧だ!ってのよりかは、この機会を友人と一緒に楽しめるくらいの気概を持ってた方が3日間をやり切れると感じた。あとは、会場までの地下鉄アクセスはあまり良くない。一番近い地下鉄駅からでも20分位は歩く。(トビタテの友人が会場に十分近い地下鉄駅があると教えてくれました。)その点でも、ある程度人数がいればUberというサービスで1台10数ドルでタクシーを呼んで割り勘で会場の真ん前まで行ける。
さて、最後に個人的な感想。
僕は卒業が2017/9 or 2018/3の理工系大学院生だ。卒業時期が今回のメインターゲットと違ったということで、日系のメーカーは殆ど受け入れてくれなかった。そのため、数少ない僕の卒業年度を受け入れてくれる企業からの選択だったわけだが、以前から良く知っていて興味もあった外資系のメーカーが2社あったので、かなり早い段階で事前に応募した。手が早かったこともあり、電話越しに面接が一回あった後、面接とディナーの段取りを整えて貰った。
まだ、就職なんてものを手に取る距離で考えた事は無かったが、3日間(実質2日)だけ就活に没頭する中で、ある程度自分が何をしたいのか良く考えるキッカケになったし、ディナーでそこで働く人達と時間を掛けて色々な話を聞けたことは、参加するに値する経験だったと思う。
とは言うものの参加にかかるコストも安くないし、時期で言うとかなりいい感じにアメリカの大学の試験に被ってくる。そして手放しに参加しても大した対価が得られるとは思わない。けど考え方は人それぞれ。ある程度早く手を打ってコストを安く抑えられたのなら、就活が少し先の学生でも参加を考えてみても良いのかもしれない。
-----------------------------------------------------------------------------------
以下、参考までに僕の泊まった宿。使ったサービス。
3つのクイーンサイズベットのある家で、6人で泊まって一人1泊50ドルだった。空港からは頑張れば徒歩でも来れる良好なアクセス。冷蔵庫に歓迎のケーキとワインが入ってた!
Airbnb。なんと、友達紹介で20$OFF(僕も笑
Uberも貼っておく。これも紹介で良いことがある()
https://get.uber.com/invite/p4kqf3q9ue
Halloween
アメリカでの生活は1ヶ月も経つと語学面ではコミュニケーションにもあまり苦労を強いられることも無くなり生活も肌に馴染んできた。初めの何もかもが新鮮に感じられた時期はとうに過ぎて、同じような日々を過ごす感覚は日本のそれと変わらなくなりつつある。
案外こっちでの生活は居心地が良く、ホームシックにもならない。なんならあと数年こっちで暮らしても悪くないと思えてくる程だ。
もちろん、飯ならそこらのラーメンまがいの麺類やタイ米を使った料理なんかより武蔵屋だし吉野家の方が格段に安いし旨い。バスの運行も先進国とか言われているくせに未だに30分くらいは平気で遅れてフラストレーションを禁じ得ない。
けれども、そんな生活の不便さを差し引いてもこっちでの生活には有り余る良さがある。
その良さの一つは、留学という時間の特殊さだと思う。
これは海外旅行に行く時に、日本の事はすべて保留にしてパーーッと楽しもう。的な感覚に似ている。
僕は来年就活を控えている修士の1年で、再来週には中間発表があって、卒業までには単位を取って、研究もそこそこ成果を出して、就職先も探して…etc
僕は今こんな日本で持っていた社会的な立場をすべて保留にしている。
一方アメリカでは、大学院の研究生としての身分はあるものの、良くも悪くも1年しかいなく、学位も取らない留学生に対してはあまり期待はされていない。
つまるところ、この1年で僕が果たさなければいけない社会的な責任はほぼ無い。(もちろん自分が立てた目標はあるけども)
今まで、所謂エスカレーター式で外から課せられた課題を綺麗にこなすことに粉骨してきた自分にとって、外からの干渉(親からも)がほぼ無く、自分の振る舞いを自分で考える必要がある環境は非常に特殊な時間だと言える。
何も大げさに留学してまで語るようなことじゃない。と言われるかもしれないが、意外と日本に居ながらにして自分の人間関係や立場を切り離して行動する事は相当なメンタルを持ってないと出来ないことだし、周りからの理解も得られにくいと思う。
少なくとも、僕には無理だ。
もちろん留学の目的自体には成り得ないだろうけども、留学をすることで副作用的にでも自分が一度日本の関係から離れて客観的に考える良い機会が得られる事は確かだ。
今週を振り返ると、ハロウィンという言葉に釣られて、新型のiphoneのコスプレを作ってパーティーに参加し、帰りには飲み過ぎた友人(初対面)を深夜に家まで送り届けるなど、考えたとは思えないしょーもない事に時間を割いてしまった感が否めないww
(コスプレは仮装コンテストで優勝したから後悔はしていない!)
この先10ヶ月弱の特殊な時間、もう少し大切にしていこうと思う。
アメリカの大学院に来てヒシヒシと感じたこと
(写真: Suzzalo Library at University of Washington)
シアトルに来て早1ヶ月、日本の友達がSNSにラーメンの写真を挙げるとダークな気分になる事以外は特に不自由もない。この一ヶ月間色々と思うところがあったけど、大体は薄れていってしまうので備忘録程度にブログなるものを始めてみることにする。
きっと現代に生きてたならブログを書いてみたいなっ〜〜と思ったであろう小野妹子の気持ちが今ならよく分かる。
(出典: ギャグ漫画日和 小野妹子)
さて、僕はアメリカのワシントン大学というところでところで半導体の研究をしているわけである。今回はそんな中でアメリカで研究することについて思ったことを書く。
キーワードは
実力主義・競争的
といったところだろうか。
〜 留学初日、 学生室にて〜
自分「今日からお世話になります〜、よろしくお願いします!」
上司Dr「よろしくっ!」
自分「よろしくっす!ところで僕のデスクはどこでしょうか!?」
上司D 「残念だが、無い!(Unfortunately, not...)」
自分「・・・・・・・」
はっwwwww?
(引用:ドラマ「ライフ」岩本みどり「お゛め゛ぇ゛の゛席゛ね゛ぇ゛がら゛あ゛!」より)
何故なのか。。。
留学早々このことは結構なメンタルダメージだった。
だってラボのデスクといえばパソコンでネットブラウジングをしたり、どうでも良い雑談に同期と花を咲かせたり…
と大学院生にとって大事な居場所ではないか。僕は早々に爪弾きにされるようなことをしたというのか。
否である。この理由は至ってシンプルであり、最近この学生室を持つ研究グループへの投資が減っており、研究に使えるリソースが減っているのだという。
〜翌日の学期始めオリエンテーションにて〜
そこでは僕の属するMaterial Science and Engineering(通称:MSE)の学科長かつ指導教官のAlexがMSEについて話をした。その内容はざっくり
- 私たちの学科は素晴らしい!過去何年これだけのリサーチインパクトを放って評価されてきた!獲得した投資は~~万$で、、、、云々
- 〜〜年には研究インパクトで全米で何位で〜〜。
- 博士課程の誰々、教授陣の誰々がどの奨学金を獲得している等
といったもので、結構な赤裸々話をしつつ学生に帰属意識を促すものだった。
こっちでは研究に従事するメインの人材がD課程の学生という事情があるものの、常に世の中の動向と自分の研究がどのように結びついてインパクトを生むのか、その結果として競争資金を持ってこれるかどうか。というアイディアを少なからず持っている様だった。
少なくとも、アイディアに乏しい経験の浅い学生でもあんまり適当なことをやっているとデスクを貰えるか怪しくなる程度の意識はありそうだ。
もちろん、こんな話は工学系だからこそ顕著なのかもしれないけども、エンジニアの競争的な一面を早くも見せつけられてしまったという感じだ。
また日本人は働きすぎだ!なんてよく耳にするし僕も日本の研究室では極たまに深夜まで実験をしたりと決してワークライフバランスが良いとは言えなかったけども、少なくともこっちの研究室の人も切羽詰まってる人は深夜まで作業をしている人が見受けられた。成果を出すためにちょっとばかり生活の時間を割く文化は国がどうこうというよりも、本人次第なんだなぁ、と。
因みに、デスクをもらえなくて意気消沈だった自分だが、ワシントン大学には幸い、朝早くから夜遅くまで開いている図書館があり、僕は主にそこで作業をしている。記事のトップ画がまさにこのSuzzalo図書館の中の様子であり、これが結構な建築だ。
ここで勉強してると、なんか自分がめっちゃ出来る奴みたいに思えてくる。(完全に自分に酔っているだけっすねwww)
けども、そんな環境に後押しされてこっちでの僕の研究も少しづつ始まってきた。競争心の強いph.Dに囲まれながら学位取得を狙うのはけっこう疲れそうだが、1年だけ留学としてやってみる分には悪い経験じゃないはず、と言い聞かせてこっちで頑張ってみることにする。
続く